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リノベーションブログ 【京町家リノベ】はじまりの一歩。― 前編 ―
町家リノベーションプロジェクト
築70年を越える京町家。そこにあったのは、長く使われていなかった空き家でした。街の中に静かに佇むその建物を前に、最初に感じたのは「ここには可能性がある」という直感。ここから「DOMA×NAKA-NIWA」というリノベーションプロジェクトが始まりました。
調査から見えてきた建物の姿
最初のステップは、現地調査です。建物の傾きや柱の状態、雨漏りや床下の湿気などを丁寧に確認しながら、どこまでが残せるのか、どこを補強すべきなのかを見極めていきます。
この町家には、土間、中庭、奥の和室といった昔ながらの構成がしっかりと残っていました。特に土間から中庭へとつながる抜けのある空間構成は、この家の大きな魅力だと感じました。
「暮らし」のイメージを共有する
設計のベースになったのは、お施主さまの言葉。
「暮らしに、少し余白を残しておきたい」
そんな想いを受けて、日々の生活の中で余白となる場所――たとえば、ちょっと腰を下ろせる土間のスペースや、季節の風を感じる中庭など、「何かに使わなきゃ」ではなく「そこに在る」ことで心地よさを生む場所を、ひとつひとつ設計に落とし込んでいきました。
日当たりは正直。だから、工夫する
この町家は、南北に細長く、中庭があるとはいえ日当たりに不安がありました。そこで、2階に吹き抜けを設けることを計画し、自然光を1階の奥まで届けられるような工夫を検討していきます。
加えて、壁を減らし、視線の抜けを意識することで空間全体が明るく、広く感じられるように。伝統的な京町家の“間”を尊重しつつ、今の暮らしにあった開放感を加えることが目標です。
解体を前に、わかっていること/わかっていないこと
リノベーションで難しいのは、「壊してみないとわからない」ことが多い点です。図面には残っていない柱や梁、床下の構造など、解体してはじめて分かることもたくさんあります。
それでもこの建物には、私たちを惹きつける力がありました。古い建具や、味のある塗り壁、時を重ねた床板。すべてが「この家の歴史」そのものであり、それらをどこまで残し、どう活かすかが設計の要になっていきます。
ここまでが、DOMA×NAKA-NIWAプロジェクトのスタート地点。次回は、いよいよ解体から施工へ。町家リノベの舞台裏、後編へと続きます。
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