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京町家の土間をリノベーション|光と暮らしを整える後編
京町家のリノベーションで土間を考えるとき、単に古い建物をきれいにするだけではなく、光の入り方、風の抜け方、奥行きのある空間の使い方をどう整えるかが大切になります。
京町家には、細長い敷地、通り庭、土間、中庭、奥へ続く間取りなど、現代の住宅とは違う魅力があります。一方で、暗さ、寒さ、段差、収納、水まわり、耐震性など、暮らしやすさの面で検討すべき点もあります。

目次
土間を暮らしの入口にする
京町家のリノベーションで土間についてまず考えたいのは、土間を単なる通路や玄関として扱わないことです。土間は、外と内をゆるやかにつなぐ場所です。自転車を置く、植物を育てる、作業をする、人を迎えるなど、暮らしの余白として使えます。
現代の住まいでは、玄関、廊下、リビングがはっきり分かれることが多いですが、京町家では土間を活かすことで、空間に奥行きと表情が生まれます。
土間を考えるときは、次のような視点があります。
- 外から入ったときの印象
- 靴や自転車、道具の置き場
- リビングやキッチンとのつながり
- 来客時の距離感
- 掃除や湿気への配慮
土間は見た目の格好よさだけでなく、暮らしの使い方とセットで考えることが大切です。
光と風の通り道を整える
京町家は奥に長い建物が多く、通りに面した部分と奥の部屋で明るさが変わります。中庭や吹き抜け、建具の抜けを活かすことで、光と風の通り道をつくることができます。
すべてを明るく白くするのではなく、暗さを完全に消さずに、落ち着きや陰影として活かす考え方もあります。京町家らしさは、光と影のバランスの中に残ることがあります。

設計では、窓の位置、建具の透け感、照明の置き方、天井の高さ、素材の反射まで含めて考えます。光を入れることと、落ち着きを残すことの両方が大切です。
古い素材と新しい機能を重ねる
京町家のリノベーションでは、既存の柱、梁、建具、土壁、床の表情をどこまで残すかを判断します。古いものを全部残すのではなく、暮らしに合うものを残し、必要な機能を加えていくことが大切です。
断熱、耐震、設備、配線、配管、水まわりなどは、現代の暮らしに合わせて整える必要があります。見える部分のデザインと、見えない部分の性能を一緒に考えることで、長く使いやすい住まいになります。
穴澤メモ:古い建物に手を入れるときは、「残すこと」が目的になりすぎても、「新しくすること」が目的になりすぎても違います。そこに住む人の暮らしに対して、何を受け継ぎ、何を更新するかを丁寧に見たいと思っています。
京町家ならではの確認点
京町家をリノベーションする場合、建物の状態だけでなく、制度や景観、耐震、補助金、工事範囲の確認も必要です。京都市では京町家を改修したい方向けの情報を公開しています。
制度や受付状況は時期によって変わるため、実際に検討するときは最新情報を確認しましょう。補助制度を使う場合は、着工前の申請や条件確認が必要になることがあります。
購入前や工事前に見ておきたいことは、次のような内容です。
- 京町家としての指定や制度の対象になるか
- 耐震や断熱をどこまで考えるか
- 外観や景観に関する条件があるか
- 水まわりや設備をどう更新するか
- 補助制度を使える可能性があるか
施工事例として見るポイント
京町家の施工事例を見るときは、完成写真の雰囲気だけでなく、何を残し、何を変えたのかを見ると参考になります。土間、中庭、光、素材、動線、水まわりがどのように整理されているかを見ることで、自分たちの住まいにも活かせるヒントが見つかります。

今回の住まいについては、DOMA×NAKA-NIWAの施工事例でも紹介しています。土間と中庭をどう暮らしに取り込むかを見たい方は、合わせてご覧ください。
まとめ:京町家の魅力は、整え方で変わる
京町家のリノベーションで土間を考えるときは、古さを残すか新しくするかの二択ではありません。建物が持っている光、風、素材、奥行きを読み取り、今の暮らしに合うように整えることが大切です。
京都で京町家や古い住まいのリノベーションを検討している方は、物件の雰囲気だけでなく、建物状態、制度、費用、暮らし方まで一緒に見ながら進めていきましょう。
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