リノベーションブログ 【京都で住宅リノベ】水廻りを動かしたい人、ちょっと待って。リノベの自由度と制限の話
リノベで水廻りの位置を変える時のポイント。
リノベーションの魅力といえば、「自由な間取り」。「キッチンをオープンにしたい」「お風呂をもっと明るい場所に」「トイレは玄関から離したい」——
そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
でも、実は水廻りの移動には制限があること、ご存知でしたか?この記事では、リノベーションで見落としがちな“水の流れ”について、少しリアルなお話をしたいと思います。
水廻りが自由に動かせるとは限らない理由
キッチン・トイレ・お風呂・洗面台など、いわゆる“水廻り”。見た目や使い勝手だけでなく、「水をどう流すか」がリノベの設計において非常に重要です。特に重要なのが排水の仕組み。
給水や給湯の配管は、圧力によって水を押し出すため、ある程度自由に位置を変えることができます。ところが、排水は重力を利用して流すため、“勾配”が必要になるのです。
具体的には、排水管には1メートルにつき1センチほどの下り勾配が求められ、排水の出口(マンションなら縦管、戸建てなら敷地外の枡)に向かって傾けていく必要があります。
離れた場所に水廻りを移すと起こること
たとえば、排水口から遠い場所にお風呂を移動させたい場合。勾配を確保するためには、排水管を通す床の高さを上げる必要が出てきます。
結果として
- 床が上がり、天井が低くなって圧迫感が出る
- 階段のような段差が生まれて、バリアフリー性が損なわれる
- 配管スペースが確保できず、そもそも移動できないことも
このように、“見た目にはわからない制約”が、設計の自由度に大きく関わってくるのです。
特にマンションでは注意が必要
マンションの場合、排水は「縦管(たてかん)」と呼ばれる共用の排水管に流されます。この縦管がある位置を起点にしか排水できないため、縦管から遠ざかるほど設計が難しくなるのが現実です。
また、管理規約で「水廻りの移動は不可」とされている物件もあるため、工事を始める前に、管理組合の承認や規約の確認が必須となります。
古い物件には、配管のリスクも潜んでいる
築年数の古い住宅やマンションでは、排水管が土管や金属管だったり、そもそも敷地内の“枡(ます)”の位置が不明なケースもあります。
- 地中で配管が陥没していた
- 枡のふたがコンクリートで塞がれていた
- どこに流れているかわからない排水経路があった
こうした問題は、購入前の段階では分かりにくいため、現地調査やインスペクションが非常に重要です。
それでも移動したい!という時の選択肢
どうしてもキッチンやお風呂の位置を変えたいという場合は、
- 床の一部を上げて排水経路を確保する
- 天井裏や壁内に配管スペースを工夫して確保する(物件条件による)
など、設計と施工の工夫によって対応できる可能性があります。
ただし、構造的な制約や既存設備の配置によっては、移動が難しいケースもあるため、事前の現地調査が重要です。
図面だけではわからないこともあるからこそ、プロに相談を
「この間取りにしたい!」と思って図面を描いても、実際には配管ルートが確保できず、やり直しになることもあります。だからこそ、構造や配管の知識をもった設計者や施工者と一緒に進めることが大切です。
リノファクでは、物件探しの段階から“水廻りの移動が可能かどうか”を現地で確認し、
夢の暮らしを実現するために、現実的なアドバイスと代替案をご提案しています。
「水廻りを動かしたいけれど、できるのか不安」「この間取りって現実的に可能?」そんな方は、リノファクまでお気軽にご相談ください。図面だけでなく、現地の配管や構造をしっかり確認した上で、最適なリノベをご提案いたします。
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